満月の夜の息抜き

誰かに話す必要がないことたち。

広告コピーを書くのが苦手な私のコピー方法論

周りには自分よりも文章を書くのが上手な人がたくさんいる

今まで、自分はどちらかというと数字が好きな方で言葉の専門家ではないので、コピーを書くのは苦手だったのですが、なぜか避ければ避けるほど打順が回ってきてそのたびに自分が書いたコピーを読んでは失望してきました。

私の周りには、いつも自分よりも文章を書くのが上手な人がたくさんいたり、コピーを書くのが得意な人がいました。

そんなどうかけばいいのかと悩んでいたとき、中村 禎さんの本「最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法」を読みました。

そしたら、こういう環境で育ったことは逆によかったんだと思えました。

詳しくはこちらの本をお読みください。

そして、ちょっと救われました。

もし、自分が恵まれた環境で育ったのなら、そこで苦労した経験は誰かの役に立つかもと思いました。

文章を書くのが下手くそだから、書くためにいろいろなことを勉強してきました。

そこでわかってきたのですが、下手くそな人は努力も下手くそです。

いや、努力が下手くそだから、本番が下手なのかも。

とにかく、コピーを書くときにすぐに言葉を書いてみたり、言葉のてにをはにこだわってみたり、同じところをぐるぐると回転していました。

でも、

そういう風に思えたのも、まわりに上手な人がたくさんいたからなんだと思います。

もし、周りにそういう人がおらず自分一人でコピーを書いていたら・・・。

きっとその人が上達するのは大変難しいのではないか、と思います。

まあ、あの有名な仲畑さんは、

学生のときに新聞広告を切り抜いて自分のコピーをそこに書いて就職したかった会社にプレゼンした、というエピソードをどこかで読んだことがありますが。

才能ある人は何をやっても成果は出る。

私はそういう人間じゃないので、そうじゃない人に向けて、

コピーを書くときのコツをまとめました

いきなりですが、

  • 〇〇さんのりんごは、とってもジューシーで甘いのでこれからたくさんの人に買ってもらいたい

ということを広告文で表現したいとき、どう書きますか?

たとえば、

  • 手塩にかけた◯◯さんのりんごは、今まであまりに収穫量が少なかったので地元の人達だけに楽しまれてきた、いわば「幻のりんご」。限定出荷しているこの機会にぜひ一度味わってみてほしいです。

というようなコピーを書くとします。

ネットで広告文というより商品情報ならオッケーな気がしますが、もっと端的に速球勝負でいきたいときもある、そういうときに意識していること。

広告文を書くときの基本 その1.「眼の前を模写」

たとえば、下のようなことを広告で伝えたいとなったら、

  • このりんごは、とってもジューシーで甘いのでたくさんの人に買ってもらいたい

ということをもっともよく伝えるのは、りんごそのものの『リアリティ』や『存在感』、『シズル』と言われるようなものだと思うんです。

そこで、

  • はち切れんばかりのハリとツヤ!まるで桃のようにこぼれんばかりの甘汁がたっぷりつまったこの「りんご」。本当に甘いりんごは1口めの甘さが違う。

こんな風に、眼の前にある商品を描写してみます。

また、

広告文を書くときの基本 その2.「体言を表現」

ということも意識しています。

たとえば、

  • いまをときめくQRコード 決済「paypay」の利用者を増やしたいと考えるとき

HPにはこんなコピーが書いてあります。

  • スマホ1つでかんたんに。お支払いはpaypayで。

でも、

「paypay」システムそのものについて、より入り込んで書いた方がより興味を引けるコピーになると思いませんか。

広告表現の規制があると思うのでそのまま使えないと思うけど、

たとえば、

  • 1,000円買ったらいつも30円引きになるお財布なんてありませんでした。

とか、

  • 使えば使うほどお金が増えちゃう、新しいお財布、これって発明!?

とかどうですか。

広告文を書くときの基本 その3. 「ひとりごと」

そのほかにも、コピーを書くときに気をつけているのは「一般論」にならないこと。

一般論って誰も異論反論しないぐらい正しいことなのかもしれません。

けれど、

それをそのままコピーに採用しても、強いコピーにはならないと思います。

これについては、すごくわかりやすい例を見つけたのでこちらを紹介します。

  • 子供を産まない女性が増えている(一般論)

  • 産まないかもしれない私(ひとりごと)

(出典:キャッチコピー力の基本 川上徹也 著)

どうですか、私のことに置き換えるだけですごく、リアリティが出ませんか。

さっきのpaypayのコピーも、

  • お店での支払いをスマホ決済にして得をしている人が増えています(一般情報)

  • paypay使って払うだけで得してる私(ひとりごと)

みたいな。

広告文を書くときの基本 その4.「灯台

「ひとりごと」が読み手に寄り添った表現だとすると、こちらの基本は、半ば強引に命令するような表現です。

これは、わかりやすく言い換えると「宣言」や「目安」になるような表現のことです。

たとえば、

百貨店でお買い物して、豊かな生活を送りましょう。というメッセージをこの一言に込めている。

同じような意味でも、極端に圧縮するととたんに言葉として強くなる。

 

さて、以上私が意識してきた4つの基本を紹介しました。

それなりに使えると思います。

レトリックにおける3つのテクニック

やっぱり広告文を書くとき、どのように書くかが、それなりに重要です。

次の3つを意識するとおもしろい表現が作れると思います。

  1. 擬態
  2. 異質な組み合わせ
  3. 二匹目のドジョウ

1.擬態

これは、コピーを話す主人公を商品そのものにしたり、商品を買う人にしたり、商品を買う人のそばにいてその光景を眺めている人にしたり、するテクニックです。

  • おしりだって、洗ってほしい

まさに、「おしりになって書いた」このコピーは鮮烈にウォッシュレットを登場させました。

  • アデランスは誰でしょう。アデランスはわからない。

商品を買う人ではなく、「商品を買った人にいる周りにいる人の目線」の言葉です。

2.異質な組み合わせ

わざと印象に残るような言葉を作るときにつかいます。

  • 下町のプリンス

よくワイドショーとかで使われたりしますよね。ベタですがよい表現が見つかればうまいなあと思わせられる。

最後に、

3.二匹目のドジョウ

これは、いわゆるダジャレとか、格言をもじったものです。

  • 宅配は猫である

ちょっと前にあった、ヤマト運輸のコピーです。

コピーでは何も伝えていませんが、記憶に残るしなんだかかわいい感じがしますよね。

ブランドのコピーは時として、よいことを厚かましく主張しがちですが、このコピーはよいことは言わず素直さを売りにしたところが面白い。

まとめ

コピーを書くときの自分なりの「4つの基本」と、レトリックの「3つのテクニック」を書きました。

4つの基本
  • 眼の前を描写
  • 体言を表現
  • ひとりごと
  • 灯台
3つのレトリック
  • 擬態
  • 異質な組み合わせ
  • 二匹目のドジョウ

あわせると12通りのパタンありますし、一つ一つが具体的な書き方ではないので、考えていくと無限の広さを持っています。

じっくりと吟味して使いこなせれば、いろいろなコピーが書けます。実践済み。

これで「コピーの表現」については、ある程度書けるようになると思いますが、

しかし実は、

実際にコピーを書くときには、ここには書かかなかった「なにを書くべきか?」という問題があります。

それについては、別の機会に書かこうと思います。