満月の夜の息抜き

誰かに話す必要がないことたち。

広告文の書くときの前提

商品やサービスの広告文を書く前に考えるべきこととは?

よくコピーライティングの方法や表現の書き方というポストは見かけるが、コピーを書く前の「前提」について書いている人がいないので、メモ書き程度に書いておく。

コピーを書く前提に対する認識は、プロのコピーライターにとってはとても大事なことだし、特に誰かにいちいち言わないがみんな当たり前に知っていることだ。

以下のことは、広告をこれから制作しようとする人だけでなく、広告掲載しようとする広告主も認識していたほうがよいと思う。

誰に対して何を書くべきか考えること。

よく広告文をつくるときに、What to say, How to say.が大事だよと言われる。

しかし案外この「誰」を決めることは難しい。

「誰」を意識せず広告を作ってしまおうとする広告主は多い。自分も含めて。

広告の効果はその広告文が「読まれた瞬間に勝負が決まる」ため、もっともよく伝わる広告にしなければならない。

必要になるのは、広告表現を「A」とするか「B」とするかを決断すること。

「A」か「B」かを決めるとき、広告で伝えたいことがきちんと表現されているかを軸にして決断してしまうことがある。

しかし、本来の広告の目的に立ち返れば、「こちらの伝えたいことが相手に伝わるか」を主体として考えなければならない。

ここで当然大切になるのが、「誰」にこの広告を到達させるつもりなのかということになる。

広告主からすると、「商品の良さを伝えて買いたいと思ってもらえれば誰でもいい。こっちからお客を選ぶなんて意味がわからない」と思うだろう。

そこでさきほど述べたことに立ち戻る。

広告は『読まれた瞬間に勝負が決まる』

自分に関係がある、これ自分が欲しかったものだ、と直感してもらうためには、広告の対象者をとある人物に特定するほうがその確率は高まるとされている。

あるアイスクリームを、(A)子供がいる母親である女性に売る場合と、(B)働き盛りの男性に売る場合とでは、表現が変わってくるだろうことは想像できるだろう。

しかし、ここで「まったく誰も食べたことのない味のアイスクリームが新発売!」といえばいいじゃないかと主張する広告主がいる。

よく広告クリエイターたちはこの意見をすぐに否定したがるのだけど、それは間違っている。

全方位的、商品のスペックを主体として特徴を伝える広告で、あとは読み手の判断に任せるという戦略もあっていい

しかし、この戦略だけが至上かといえばそうではないということだ。

商品スペック訴求型の広告ではない広告があるとすれば、それが「誰」を特定した上で狙いを定めて作る広告だ。

対象となる人物像と特定するほうが、広告の効果が高まるといわれているものの、それが絶対に正しいともいえないのが広告だ。

人である以上、社会の雰囲気にかなり影響を受けて生きている。

そのために、どんな表現手法が「効く」かは実践してみなければわからないというのが、本音のところだ。

商品スペック訴求型の広告と「誰」を特定した広告のどちらが反響を多く生むのかを考えること

どちらの戦略にするのかを決めるのは難しい。

広告の良し悪しは反響数で決めるべきであって、広告村の人達が決められるものではない。いや決めてもいいがそれは、趣味としてやってくれ。

考えてもわからなければ、実際に広告を掲載してみるしかない。

ネット広告であれば比較的カンタンにできるし、どちらか一方に決めなくてもよい。

4マス広告は重量級の施策になるので容易にはテストできないため、掲載する前によくよく吟味することが必要だ。

吟味するためには、前提として「誰に何をいうか」か「この商品の特徴は」という、マーケットイン志向もしくはプロダクトアウト志向のふたつの方法があることを意識していよう。

これが、広告文を書く前に前提として認識すべきことだ。